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ホワイト物流とは|目的・背景・取り組むべきことをわかりやすく解説

ホワイト物流とは|目的・背景・取り組むべきことをわかりやすく解説

■この記事でわかること
  • ホワイト物流で得られるメリット
  • ホワイト物流推進運動に至った背景
  • ホワイト物流の実現に向けて取り組むべきこと

ホワイト物流推進運動(以下「ホワイト物流」)とは、トラックドライバーの労働環境の改善を図り、ドライバー不足の問題を解決する運動です。

 

ホワイト物流に賛同することで、ドライバー不足の改善だけでなく、安定的な物流の確保や社会的責任の遂行がといったメリットを期待できます。

 

本記事では、ホワイト物流の目的や背景などの基礎知識を解説したうえで、メリット・取り組むべきこと・参加方法などを紹介していきます。

 

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ホワイト物流とは

ホワイト物流とは

 

ホワイト物流とは、トラックドライバーの労働環境を改善することで、トラックドライバーの不足を解決し、安定した物流の確保をめざす運動のことです。国土交通省が主体となって推進しています。

 

「ホワイト物流」推進運動ポータルサイトでは、運動の目的として、以下の2項目を挙げています。

  1. トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化
  2. 女性や60代のドライバーも働きやすい、より「ホワイト」な労働環境

ドライバー不足の要因である労働条件・労働環境の改善を行い、物流の安定的な確保と経済の成長を目的としています。

 

ホワイト物流推進運動への参加で期待できるメリット

物流事業者はホワイト物流を推進することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • ドライバー不足の改善
  • 安定的な物流の確保
  • 社会的責任の遂行 など

ホワイト物流を推進し、ドライバーにとって働きやすく、魅力的な労働環境になれば、既存ドライバーの離職防止や、新規ドライバーの獲得にもつながるため、慢性的に続くドライバー不足の改善が期待できます。ドライバー不足が改善されれば、今後も安定的な物流を確保することが可能になるでしょう。

 

また、ホワイト物流の実現には、モーダルシフトやパレットの活用といった、物流の効率化も必要不可欠です。物流が効率化されれば、トラックの走行距離や燃料の消費量が減るため、「CO2の削減」や「SDGsの達成」といった、社会全体で取り組むべき課題の解決にも貢献することができます。

 

ホワイト物流推進運動に多くの企業が賛同する背景

ホワイト物流には、2023年6月時点で、1600社以上の企業が賛同しており、今後も増えていくことが見込まれます。多くの企業がホワイト物流に賛同する背景には、物流業界が直面している、以下の3つの課題があります。

  1. ドライバー不足と高齢化
  2. 調達コストの上昇
  3. 安定的な輸送が困難になるおそれ

 

1.ドライバー不足と高齢化

ドライバー不足は、運送業界が抱える最大の課題の一つです。トラックドライバーを含む「自動車運転の職業」の有効求人倍率は、2023年5月時点で2.48倍となっており、全職業の平均1.22倍のおよそ2倍です。つまり、求人を募集しても人材が集まらず、需要と供給のバランスが崩れていることがわかります。その背景には、他の職種と比べても深刻な高齢化や、長時間労働の慢性化などがあります。

ドライバーの減少と高齢化を示すデータ

トラックドライバーは、ピーク時の1995年から2015年までの間に、21.3万人も減少しています。

ドライバーの減少と高齢化を示すデータ

引用元:我が国の物流を取り巻く現状と取組状況|経済産業省・国土交通省・農林水産省

トラックドライバーの減少は今後、他の職種と比較してもさらに深刻になっていくことが予想されます。その根拠が、現役トラックドライバーの高齢化です。

 

下記のグラフのとおり、トラックドライバーの平均年齢は中小型トラックで47.8歳、大型トラックで50.2歳と、全産業の平均よりも4.1~6.5歳高くなっています。

 

ドライバーの減少と高齢化を示すデータ02

参考資料:令和4年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

 

トラックドライバーを含む道路貨物運送業の年齢構成では、45歳~59歳までが全体の45.7%を占めており、これは全産業の平均である34.1%よりも高い数値です。この世代が今後定年を迎えることで、トラックドライバー不足はさらに加速するおそれがあります。 

長時間労働の慢性化がドライバー不足の一因

長時間労働の慢性化がドライバー不足の一因

参考資料:令和4年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

 

トラックドライバーは労働時間が長く、既存のドライバーが離職したり、新規のドライバーが集まらなかったりする理由の一つになっています。平均実労働時間数のグラフを見てみると、トラックドライバーの労働時間は全産業の平均よりも396~444時間長くなっています。

 

長時間労働の一因として、荷待ち時間や荷役時間の長さが問題視されています。国土交通省の調査では、荷待ちが発生する1運行あたりの平均荷待ち時間は1時間45分、約3割は2時間超という結果でした。

 

長時間労働の慢性化がドライバー不足の一因02

引用元:物流標準化と物流現場の現状|国土交通省

 

さらに、1運行当たりの平均拘束時間は11~16時間と非常に長くなっています。

今後さらなるドライバーの不足が予想されている

今後さらなるドライバーの不足が予想されている

引用元:本部委員会報告書|公益社団法人鉄道貨物協会

 

国土交通省の将来予測によると、トラックドライバーの需要は今後も年々増加していきますが、ドライバーの供給量は年々減少していくとされています。2020年度時点では14.4万人のドライバーが不足していましたが、2028年度には約27.8万人ものドライバーが不足する見込みです。ドライバー不足は今後さらに深刻化していくと考えられるでしょう。

 

2.調達コストの上昇

2.調達コストの上昇

引用元:「ホワイト物流」推進運動について|国土交通省

 

ドライバー不足により、輸送コストは上昇傾向にあります。 例えば、2014年4月は104.4円であった「道路貨物輸送」サービス料金は、2019年3月には111.8円に値上がりしています。輸送コストの上昇は、運賃だけではなく、食料品やECサイトの送料など、あらゆるものの値上げを引き起こします。

 

ドライバー不足による影響は物流業界のみならず、国民全体に関わってくる問題といえます。

 

3.安定的な輸送が困難になるおそれ

ドライバーの不足による物流への影響は、すでに出始めています。例えば、配達業者による日曜日の集荷・配達の中止、発売日の遅延、食料品等の値上げ、引越難民などの問題です。

 

トラックドライバーの不足が今後も改善されなければ、産業や国民生活に与える悪影響も増えていくでしょう。

 

ホワイト物流に賛同する企業が増加しているのは、ドライバー不足による問題をこれ以上増やさないためでもあります。

 

ホワイト物流の実現に向けて取り組むべきこと

トラックドライバーの不足は、誰にとっても他人事ではありません。物流事業者だけではなく、荷主企業や納品先企業、そして一般国民全員が、自分にできる対策を打っていく必要があります。 ここではホワイト物流の実現に向けてどのようなことに取り組めば良いのか、それぞれの立場ごとに紹介します。

 

物流事業者

ホワイト物流の実現に向け、物流事業者が取り組むべきことは以下のとおりです。

  • 委託先運送会社の運送業務の適正化(委託先運送業務の状況確認と改善策の協議 など)
  • 荷主企業等に向けた業務改善の提案(荷主企業等に改善の申入れや提案の検討 など)
  • トラック運転者の労働条件・労働環境の改善(労働条件や労働環境の改善)

ホワイト物流推進運動が始まった背景にあるように、近年は特にドライバーの労働条件や労働環境について問題視されています。

 

ドライバーの長時間労働を是正し、労働環境を改善するためには、物流業界や国民全体の協力はもちろん、より厳格な勤怠管理や配車管理による効率化が必要です。

 

その実現に、勤怠管理・配車管理ができる運送業専用のオンラインツール「TUMIX」が役立ちます。TUMIXは多くの企業で導入実績があり、運送会社特有の問題を解決するためにさまざまなサービスを提供しています。

 

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荷主企業・納品先企業等

ホワイト物流の実現に向け、荷主企業や納品先企業が行なうべきことは以下のとおりです。

  • 荷待ち時間の削減(予約受付システムの導入、入出情報等の事前提供 など)
  • 荷役作業の負担軽減(パレット等の活用、運搬と荷役の分離 など)
  • 物流の生産性向上(パレット等の活用、モーダルシフトの導入 など)
  • 入荷作業効率化(予約受付システムの導入 など)

トラックドライバーの不足は、荷主企業や納品先企業にとっても、解決しなければならない課題です。ドライバー不足によって輸送が滞れば、荷主企業や納品先企業の事業も成り立たなくなるためです。

 

荷主企業・納品先企業と物流事業者が、お互いに協力し合いドライバーの負担軽減や物流の効率化を図ることで、持続的かつ安定的な物流の確保が可能になります。

 

例えば、予約受付システムの導入やパレットの活用などを検討してみてください。

 

国民全員

国民全員

引用元:「ホワイト物流」推進運動について|国土交通省

 

トラックドライバーは、食料品や日用品など、生活に不可欠なものを日夜問わず運んでいます。そのため一般消費者にとっても、ドライバー不足の解決は、当事者意識を持って取り組むべき課題です。 一般消費者ができる取り組みには以下のようなものがあります。

  • 宅配便は1回で受け取る(再配達をさせない)
  • 引っ越しはピークを避ける
  • ドライバーが休憩できるように、大型車専用駐車スペースは空けておく

一人ひとりが物流の重要性を意識し、小さなことから取り組むことで、現在抱えている問題が少しずつ改善していくでしょう。

 

ホワイト物流推進運動への参加方法

ホワイト物流推進運動に参加するためには、運動の趣旨と「自主行動宣言」の必須項目に合意をし、賛同表明することから始めます。そのうえで指定のフォーマットに記入をし、事務局に提出すれば参加することが可能です。

 

具体的な手順は以下を参考にしてください。

  1. 「自主行動宣言」のフォーマットをダウンロード
  2. フォーマットに記載されている必須項目に合意のうえ、必要事項を記入 (団体名や役職などの事業者内容・自社で取り組む項目の選択)
  3. 事務局に提出する

参加手続きはすべてWEB上で完結するため、手軽に行えます。自主行動宣言を提出したあとは、自社の公式サイトなどで公表することも認められています。

 

ホワイト物流まとめ

ホワイト物流とは、トラックドライバーの労働環境を改善することで、ドライバー不足の改善を図る運動です。ドライバー不足が解消しないままだと、物流業界はもちろん、一般消費者の生活にも深刻な影響をもたらします。

 

ホワイト物流を実現するには、物流事業者、荷主企業・納品先企業、一般消費者のそれぞれが、責任をもって解決策に取り組む必要があります。

 

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