ホーム > Gマークの取得条件とは|4つの条件をわかりやすく解説

Gマークの取得条件とは|4つの条件をわかりやすく解説

Gマークの取得条件とは|4つの条件をわかりやすく解説

■この記事でわかること
  • Gマークを取得するための4つの条件
  • 自分の事業所がGマークの認定基準に当てはまっているかどうか
  • 認可申請や届出に関する注意事項

 

Gマークとは、貨物自動車運送事業において、「安全性優良事業所」であると認定を受けることで付与されるマークのことです。認定を受けると、企業の信頼性の向上やインセンティブの付与などのメリットを受けられます。

 

しかし、Gマークを取得するにはいくつかの条件をクリアしなければなりません。認定基準から外れないよう、申請前にしっかりと内容を把握しておくことが大切です。

 

そこで本記事では、Gマークの4つの取得条件をわかりやすく解説していきます。また、以下の記事でもGマークについて詳しく解説しているので、併せて参照してください。

 

 

Gマークの取得条件(認定要件)

Gマークの取得条件(認定要件)

引用:Gマーク制度について | 全日本トラック協会

 

全日本トラック協会が公表している資料によると、Gマークを取得するのに必要な条件は以下の4つです。Gマーク認定事業者になるためには、4つをすべて満たしている必要があります

 

  • 申請資格を得ていること
  • 評価基準をクリアしていること
  • 法に基づいた認可申請・届出・報告事項を行っていること
  • 社会保険等へ適正に加入していること

 

次の章からは各項目を一つずつ解説していきます。

 

【条件①】申請資格を得ていること

1つ目の条件は、申請資格を持っているかどうかです。対象となる申請資格には、以下の2パターンが存在します

 

◆全ての申請者が対象の申請資格
◆申請や認定の取り消しを受けた事業所のみが対象の申請資格

 

また、それぞれのパターンには2つずつ申請資格があります。

 

申請基準日までに申請資格を満たしていないと、評価が中止されてしまうので注意してください。

 

申請基準日は例年7月初旬に設定されており、2023年の場合は7月1日が基準日となります。

 

次の章では2つのパターンをさらに詳しく説明していきます。

 

全ての申請者が対象の申請資格

  1. 事業を開始してから3年が経過していること
  2. 事業用自動車の数が5両以上あること

申請や認定の取り消しを受けた事業所のみが対象の申請資格

  1. a.虚偽申請など不正な手段等によって申請の却下や評価の取消しを受けた事業所の場合、その処分年度から事業年度が2年経過していること

    b.不正申請等によって認定の取消しを受けた事業所の場合、取消し処分から2年が経過していること

  2. 認定証や認定マーク、認定ステッカー等の偽造・変造・不正使用により是非勧告を受けた事業所の場合、その是非勧告の履行状況の確認および偽変造等の認定証等の提出を受けた日から3年を経過していること

参考:2023年度貨物自動車運送事業安全性評価事業申請案内

 

【条件②】評価基準をクリアしていること

Gマーク取得事業者として認められるには、3テーマ38項目の厳しい評価基準をクリアする必要があります。

 

各テーマの基準点を満たしたうえで、100点満点中80点以上の得点を得ていることが認可条件です

 

◆安全性に対する法令の遵守状況………(配点40点・基準点数32点)
◆事故や違反の状況………………………(配点40点・基準点数21点)
◆安全性に対する取組の積極性…………(配点20点・基準点数12点)

 

この基準点は、あらかじめ決められた対象期間内の結果を評価します。テーマごとに対象期間が異なる点に注意してください。

 

以下の章で具体的な内容について説明していきます。

 

安全性に対する法令の遵守状況

地方実施機関が行った巡回指導の結果を参照し、安全性優良事業所かどうかを評価します。調査項目と配点は以下の表のとおりです。

 

対象期間は例年7月1日~翌年10月31日に設定されています。

  • 配点40点・基準点数32点
中項目 小項目 配点
事業計画等 (1)乗務員の休憩・睡眠施設の保守、管理は適正か。 1
帳票類の整備・報告等 (1)事故記録が適正に記録され、保存されているか。 1
(2)運転者台帳が適正に記入等され、保存されているか。 1
(3)車両台帳が整備され、適正に記入等されているか。 1
運行管理等 (1)運行管理規程が定められているか。 1
(2)運行管理者に所定の講習を受けさせているか。 1
(3)事業計画に従い、必要な運転者を確保しているか。 1
(4)過労防止を配慮した勤務時間、乗務時間を定め、これを基に乗務割が作成され、休憩時間、 睡眠のための時間が適正に管理されているか。 3
(5)過積載による運送を行っていないか。 3
(6)点呼の実施及びその記録、保存は適正か。 3
(7)乗務等の記録(運転日報)の作成・保存は適正か。 1
(8)運行記録計による記録及びその保存・活用は適正か。 1
(9)運行指示書の作成、指示、携行、保存は適正か。 1
(10)乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか。 3
(11)特定の運転者に対して特別な指導を行っているか。 2
(12)特定の運転者に対して適性診断を受けさせているか。 2
車両管理等 (1)整備管理規程が定められているか。 1
(2)整備管理者に所定の研修を受けさせているか。 1
(3)日常点検基準を作成し、これに基づき点検を適正に行っているか。 1
(4)定期点検基準を作成し、これに基づき、適正に点検・整備を行い、点検整備記録簿等が 保存されているか。 3
労基法等 (1)就業規則が制定され、届出されているか。 1
(2)36協定が締結され、届出されているか。 1
(3)労働時間、休日労働について違法性はないか(運転時間を除く)。 1
(4)所要の健康診断を実施し、その記録・保存が適正にされているか。 3
運輸安全マネジメント (1)運輸安全マネジメントを的確に実施し、輸送の安全に関する計画の作成、実行、評価 及び改善の一連の過程を円滑に進めているか。 2

出典:2023年度貨物自動車運送事業安全性評価事業申請案内|全日本トラック協会

 

上記項目に該当する場合は、加点となります。ただし、巡回指導後に改善したり、書類不備などによって判定できない場合などは加点されません。

 

事故や違反の状況

国土交通省から送付される事故および行政処分の実績を用いて配点されます。

 

対象期間は、その年の11月30日以前3年間です。

 

  • 配点40点・基準点数21点
中項目 小項目 配点
1.事故の実績 2023 年11月30日から過去3年間に、事業所の事業用自動車が有責の第一当事者となる、自動
車事故報告規則(国土交通省令)第2条各号に定める事故がないか。
20
2.違反(行政処分)の実績 2023 年11月30日において、事業所に、貨物自動車運送事業法に基づく行政処分の点数が付加
されていないか。また、点数がある場合には、当該事業所に係る行政処分の累積点数は何点か。
20

出典:2023年度貨物自動車運送事業安全性評価事業申請案内|全日本トラック協会

 

該当する事故が無ければ20点、該当する事故がある場合は0点となります。また、違反の実績は累積点数となり、20点以上の場合は0点、20点未満の場合は20点から累積点数を引いた得点が加点されます。

 

安全性に対する取組の積極性

積極的に安全な取組を行っているかどうかも判定基準です。以下の表のとおり、4つの中項目があり、それぞれの項目から得点する必要があります。

 

対象時期は例年7月1日で、それ以降に実施された取組は評価されません。

 

  • 配点20点・基準点数12点
中項目 小項目 配点
運転者等の指導・教育 (1)自社内独自の運転者研修等の実施(50%未満は 1 点) 3(1)
(2)外部の研修機関・研修会への運転者等の派遣(選任運転者等以外は 1 点) 3(1)
(3)定期的な「運転記録証明書」の入手による事故・違反実績の把握に基づく指導の実施 3
(4)安全運行につながる省エネ運転を実施し、その結果に基づき、個別の指導教育を実施している 3
輸送の安全に関する会議・QC 活動の実施 (1)事業所内での安全対策会議の定期的な実施 2
(2)事業所内での安全に関する QC 活動の定期的な実施 2
(3)荷主企業、協力会社又は下請け会社との安全対策会議の定期的な実施 2
法定基準を上回る対策の実施 (1)特定の運転者以外にも適性診断(一般診断)を計画的に受診させている 2
(2)効果の高い健康起因事故防止対策(健康診断結果のフォローアップ・脳検査・心電計・SAS)の実施 2
(3)車両の安全性を向上させる装置の装着(ドライブレコーダー、バックアイカメラは 1 点) 2(1)
(4)ドライバー時間外労働時間 960 時間以下の先取り 2
その他 (1)健康起因事故防止に向けた取組(健康診断結果のフォローアップ・脳検査・心電計・SAS 以外) 1
(2)輸送に係る安全や環境に関する認証や認定の取得 1
(3)国が認定する第三者機関による運輸安全マネジメント評価の受審 (上記(2)ISO 等安全や環境に関する認証の取得から分離) 1
(4)過去 3 年以内の行政、外部機関、トラック協会による輸送の安全に関する表彰の実績 1
(5)リアルタイム GPS 運行管理システムなどの先進的運行管理システムの導入 1
(6)自社内独自の無事故運転者表彰制度又は省エネ運転認定制度の活用 1

出典:2023年度貨物自動車運送事業安全性評価事業申請案内|全日本トラック協会

 

この審査は申請書類によって判断され、基準を満たしている場合は一つずつ加点されていきます。

 

また、2023年度からは、得意な項目を自由に選んで申請できるようになりました。中項目ごとに1項目以上、最大10項目を選択すれば、安全性に対する取組に関する資料として提出できます。

 

上記の表にある省エネ運転の実施や時間外労働の厳守に効果的なのが、勤怠・配車管理サービスのTUMIXです。多くの企業で導入実績があり、手厚いサポート体制も整っています。

 

詳しくは以下のリンクで詳細をチェックしてみてください。

 

\2024年問題はツールで解決!/

TUMIXの詳細を見る

 

【条件③】法に基づいた認可申請・届出・報告事項を行っていること

認可申請・届出・報告事項については、9つの項目を満たす必要があります。

 

1つでも欠けていると認可されませんが、指導があった場合でも、以下の期日までに改善し、報告を行えば認定条件をクリアすることができます。

 

申請基準日前に指導を受けた場合:指定の期日まで※

申請基準日以後に指導を受けた場合:指導から1か月以内

※2023年の場合:申請基準日は7月1日、改善報告期限は7月末日までで約1か月の期日

 

認可申請・届出・報告事項

認可申請・届出・報告事項におけるチェック項目は以下の表のとおりです。クリアしていない項目があれば、申請までに手続きを行ってください。また、内容に変更がある場合についても、申請前に手続きを完了させておく必要があります。

 

申請には時間がかかる可能性があるため、早めに行動しておくことが大切です。

 

チェック項目
詳細
1.主な活動拠点である事業所および営業所の名称、位置に変更がないか – 主たる事業所の名称・位置を正しく届出しているか
– 営業所の名称を正しく届出しているか
– 営業所の位置について、許可または認可を受けているか
2.営業所に配置している事業用自動車の種別および数に変更がないか – 事業用自動車の種別(普通車・小型車・トラクタ・トレーラー)と数を正しく届出しているか
3.自動車車庫の位置および収容能力に変更がないか – 自動車車庫の位置・自動車車庫の収容能力について、正しく許可または認可を受けているか
4.ドライバーの休憩・睡眠施設の位置、収容能力に変更がないか – 休憩と睡眠施設の位置・の収容能力について、正しく許可または認可を受けているか
5.届出事項に変更がないか – 本社の名称・住所・役員・社員を正しく届出しているか
6.自動車事故報告書を提出しているか – 自動車事故報告規則に定められた事故の発生があった場合、30日以内に自動車事故報告書を提出しているか
7.事業報告書・事業実績報告書を提出しているか – 事業報告書について、毎事業年度の経過後100日以内に提出しているか
– 事業実績報告書について、毎年7月10日までに提出しているか
8.運行管理者の選任等に関する内容を届出しているか – 運行管理者資格者証を有する者の選任かつ、配置車両数に対して必要な員数が選任されていおり、それらを正しく届出しているか
– 運行管理者の解任・変更を正しく届出しているか
9.整備管理者の選任等に関する内容を届出しているか – 整備管理者資格を有する者の選任・解任・変更について、正しく届出しているか

 

【条件④】社会保険等へ適正に加入していること

保険の加入状況も重要なポイントです。以下の2項目で条件を満たす必要があります。

 

◆労災保険・雇用保険への加入状況
◆健康保険・厚生年金保険への加入状況

それぞれ細かくチェックされるため、内容をしっかり把握しておきましょう。

 

また、社会保険の加入について指導があった場合も、以下の期日までに改善し報告を行えば、認定条件を満たすことができます。

申請基準日前に指導を受けた場合:指定の期日まで※

申請基準日以後に指導を受けた場合:指導から1か月以内

※2023年の場合:申請基準日は7月1日、改善報告期限は7月末日までで約1か月の期日

 

労災保険・雇用保険への加入状況

労災保険・雇用保険への加入状況としては、以下の項目を満たす必要があります。

 

  1. 適用事業所として労働基準監督署に正しく届出している
  2. 法に定められた従業員が保険に加入している
  3. 雇用保険について、所定の保険料を控除している
  4. 労働基準監督署へ適切に保険料を納付している

 

2の「法に定められた従業員」とは、以下のような人が対象となります。

 

  • 労災保険:すべての従業員雇用保険
  • 雇用保険:すべての従業員雇用保険(31日以上の雇用か見込まれる者で1週間の所定労働時間が20時間以上)

 

どちらの保険においても、従業員を一人でも雇用した場合、事業主は保険への加入が必須です。

 

また、3の保険料の控除については、雇用保険は雇用主と事業者の双方が負担するため、保険料率に基づいて所定の保険料を事業主が負担しているか、ということが記されています。

 

健康保険・厚生年金保険への加入状況

健康保険・厚生年金への加入状況としては、以下の項目を満たさなければなりません。

  1. 適用事業所として、健康保険を年金事務所または健康保険組合に正しく届出している
  2. 適用事業所として、厚生年金保険を年金事務所に正しく届出している
  3. 法に定められた従業員が保険に加入している
  4. 所定の保険料を控除している
  5. 年金事務所または健康保険組合に保険料を適切に納付できている

3の「法に定められた従業員」とは、健康保険・厚生年金保険ともに以下のような人が対象です。

  • 従業員101人以上の企業で働く者
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 2ヵ月を超えて働く見込みがある
  • 学生ではない者

4の保険料の控除については、定められた保険料率に基づいて事業者が負担すべき保険料を負担しているか、ということです。

 

Gマークの取得条件まとめ

Gマークとは、安全性の高い優良事業所であることを示す認定基準のことです。Gマークを取得することでさまざまなメリットを得られるため、運送事業者であれば取得しておくことをおすすめします。

 

Gマーク事業者になる条件は以下の4項目です。すべてクリアする必要があり、1つでも満たしていない場合は認められません。

 

  • 申請資格を得ていること
  • 評価基準をクリアしていること
  • 法に基づいた認可申請・届出・報告事項を行っていること
  • 社会保険等へ適正に加入していること

 

評価の対象期間や取得方法など、年によって変更する場合があるため、最新情報については必ず全日本トラック協会の公式サイトを確認してください。

054-653-1122

資料請求・お問合せ

お気軽にお問合せください。

ページトップ