公開日: 2023/11/10
【2025年最新】デジタコで使える補助金制度
車両総重量が7トン以上、もしくは最大積載量4トン以上の事業用トラックには、運行記録計(タコグラフ)の装着が義務付けられています。タコグラフにはデジタルタコグラフ(デジタコ)とアナログタコグラフ(アナタコ)の2種類がありますが、現在はより高機能で正確なデジタコのほうが主流です。
しかしデジタコの導入費用は、1台あたり数万円~数十万円程度かかります。トラックの台数によっては、数百万円もの購入資金がかかってしまうでしょう。
そこで活用したいのが、国やトラック協会などが実施する補助金制度です。補助金制度を利用することで、デジタコの導入にかかる費用を抑えることができます。この記事では、デジタコに活用できる補助金制度の給付金額や申請条件についてみていきましょう。
>>デジタコとは|種類や特徴、導入するメリット・デメリットを詳しく解説
>>デジタコの義務化はいつから? 経緯と義務違反の罰則
・補助金制度によって受けられる補助金の金額
・補助金制度の申請に必要な条件
デジタコの導入に活用できる補助金制度
ここでは、デジタコ導入に活用できる最新の補助金制度と、過去の補助金制度について、それぞれ紹介します。
最新情報
2025年度(令和7年度)の補助金制度については、現時点ではまだ詳細な情報が公開されていません。ただし、予算要求段階ではあるものの、「事故防止・運行管理高度化に係る機器等の導入支援等に関する支援」という補助金制度が検討されています。
この制度が実施された場合、デジタコの導入費用の2分の1または3分の1の補助を受けられる可能性があります。
<補助額> 導入費用の2分の1または3分の1
・デジタル式運行記録計 ・通信機能付デジタル式運行記録計/ドライブレコーダー機能一体型
<補助台数> 記載なし
<補助対象事業> 記載なし
<補助条件> 記載なし
<申請受付期間> 記載なし |
過去の補助金情報
ここでは、過去に実施された、デジタコ導入に利用できる補助金制度を紹介します。これらの情報を知っておくことで、今後の補助金の傾向を予想でき、それに向けた準備も容易になるでしょう。
※以下はすでに終了している補助金制度です
【1】トラック輸送省エネ化推進事業
トラック輸送省エネ化推進事業は、輸送の効率化を実現するためにエネルギー消費を削減するシステムの導入を支援する制度です。同年度に行われていた他の制度と比べて補助額が高く、「1台あたり14万円×30台(優遇措置対象車両60台)」と「2分の1以内」のいずれか低い金額が適用されました。
具体的な内容は以下のとおりです。
<補助額> 以下のうち、いずれか低い金額
・補助金上限額:14万円×台数 ・補助対象経費の2分の1以内
<補助台数> 1事業者あたり30台 (優遇措置対象の車両は60台) ※優遇措置対象車両
・非化石トラック ・省エネ法に基づく自動車燃費目標基準を満たすトラック
<補助対象事業> 以下の「1」~「5」いずれかの者
1.貨物自動車運送事業者 2.第二種貨物利用運送事業者 3.自家用トラック事業者 4.「1」~「3」と連携をする荷主 5.「1」~「4」に貸しだすリース事業者 (「1」~「4」に該当する者と共同申請が必要)
<補助条件> ・予約受付システム等や配車計画システムと連携すること(導入済みのシステムとの連携も可) ・3%以上の省エネ効果を見込んだ実施計画を立案・達成すること ・交付決定日以降に当該設備の発注・契約をすること ・期日までに実績報告書を提出すること
<申請受付期間> (一次募集) 令和6年6月24日から令和6年7月5日 (二次募集) 令和6年7月19日から令和6年7月31日 |
参照:https://www.pacific-hojo.jp/2024r06/dotai/12pdf/06truck_flyer1.pdf
令和5年度の補助金活用事例も参考にしてみてください。
>>https://www.pacific-hojo.jp/2024r06/dotai/12pdf/R5_jirei.pdf
【2】被害者保護増進等事業費補助金(運行管理の高度化に対する支援)
この制度は、デジタコやドライブレコーダーから取得したデータを活用してドライバーへの安全指導を実施することで、安全性の向上を目指すものです。事業者ごとの補助上限額は80万円で、通信機能付き一体型機器を含める場合は補助額は最大120万円に引き上げられました。台数に制限はなく、機器ごとに上限が定められている点が特徴です。
例えば、デジタル式運行記録計(車載器)は1台あたり2万円の補助が受けられました。具体的な内容は以下のとおりです。
<補助額> 機器本体1台あたり、3分の1までで下記の補助金を支給
・デジタル式運行記録計(車載器):2万円 ・デジタル式運行記録計(事務所用機器):10万円 ・ドライブレコーダー機能一体型(車載器):3万円 ・ドライブレコーダー機能一体型(事務所用機器):13万円 ・通信機能付き一体型(車載器):8万円 ・通信機能付き一体型(事務所用機器):13万円
※事業者ごとの上限額は80万円(通信機能付き一体型を含めて購入した場合は120万円まで引き上げ可能)
<補助台数> 定めなし(補助上限内で収まる台数)
<補助対象事業> 以下の「1」または「2」の事業を営む法人または個人
1.「一般乗合旅客自動車運送・一般貸切旅客自動車運送・一般乗用旅客自動車運送・特定旅客自動車運送・一般貨物自動車運送または特定貨物自動車運送」の事業経営者で、以下の(ア)(イ)両方に該当する者 (ア)中小企業基本法第3条で掲げている「事業協同組合・事業協同小組合・協同組合連合会または企業組合」である者 (イ)申請日から過去3年間に行政処分を受けていない者 2.「1」の事業者にデジタルタコグラフまたはドライブレコーダーを貸すリース事業者
<補助条件> 1.「安全マネジメントに関する指針」に基づいた基本的な方針、輸送の安全に関する目標・計画を策定すること 2.国で実施しているほかの補助金と併用していないこと 3.申請期間内かつ申請の時点で取り付け・支払いが完了していること 4.機器を取り付ける車両が、道路運送車両の保安基準で定める基準に適合していること 5.補助金制度の活用後に、国土交通省が補助金事業の効果等の調査を実施する際は、その調査に積極的に協力すること 6.申請を行う事業年度および暦年において、給与総額を対前年比で1.5%以上増額させる目標を従業員に対して表明し、その実績を示す書類を提出すること
※リース事業者は[3]のみ該当(その他リース事業者に関する条件あり)
<申請受付期間> 令和6年7月30日から令和7年1月31日 |
参照:令和 6 年度被害者保護増進等事業費補助金|国土交通省
【3】都道府県による補助金事業
国だけでなく、各都道府県が独自に補助金制度を実施する場合もあります。制度の実施状況は都道府県によって異なるため、各自治体のホームページなどで最新情報を確認しましょう。
ここでは、参考として静岡市の制度を紹介します。この制度は、物流事業の継続や、2024年問題解決に向けた生産性向上を目的としています。
具体的な内容は以下をご覧ください。
<補助額> 下記を上限として、3分の2まで補助
・一般・特定貨物自動車運送事業者:上限100万円 ※次に該当する場合は上限50万円(脱炭素の推進・燃料の使用量の軽減に資する資機材の購入) ・貨物軽自動車運送事業者:上限3万円
<補助台数> 記載なし
<補助対象事業> 以下の「1」〜「3」をすべて満たす貨物自動車運送事業者
1.静岡市内に営業所を有する中小企業等または個人事業者である 2.貨物自動車運送事業法に基づく許認可を有している 3.申請日において営業実態があり、引き続き営業を継続する意思がある
<補助条件> 令和5年12月13日以降に、輸送効率の向上や手荷役作業の負担軽減に役立つ設備やシステムの導入に取り組んでいること
<申請受付期間> 令和6年5月27日から令和6年12月13日まで |
参照:【申請受付終了】物流効率化等生産性向上支援事業補助金|静岡市
【4】都道府県のトラック協会による補助金事業
各都道府県のトラック協会も、独自で補助金制度を実施している場合があります。ただし、すべての都道府県のトラック協会が実施しているわけではありません。利用を考えているのであれば、都道府県ごとのトラック協会のホームページから詳細を確認してみてください。
ここでは参考として、愛知県トラック協会の補助金制度を紹介します。
<補助額> EMS機器(エコドライブ管理システム):1台あたり25,000円
<補助台数> 200台まで
<補助対象事業> 愛知県トラック協会の会員事業者
<補助条件> ・期間内に助成対象機器を新規購入すること(割賦、手形、リース、中古品等は除く) ・愛知県内に本拠地を置く事業用貨物自動車に装着すること ・期間内に機器の支払および装着が完了していること
<申請受付期間> 令和6年4月1日から令和6年12月13日 |
デジタコの補助金制度について【まとめ】
国土交通省は、一定条件を満たすトラックに対して、デジタコもしくはアナタコの導入を義務付けています。
2025年の補助金情報に関する情報は、現時点ではあまりありませんが、2024年までの補助金制度の充実度を見るに、今後も実施される可能性はあるでしょう。
なお、デジタコだけでも勤怠管理に活用できるものの、あくまでも走行記録を保存する機器となるため、労働時間の管理は厳格に行えません。
そこでおすすめなのが、デジタコと連携できる勤怠ツールの導入です。
TUMIXはデジタコだけでは管理できない残業時間の管理やドライバーごとの実績のグラフ化が可能です。現在抱えている業務の課題も把握しやすくなるため、デジタコの導入を検討している方は、ぜひお問い合わせください。