公開日: 2025/01/24
配車業務とは?運送業界における具体的な業務内容や必要な資格などを解説
配車業務は、荷物の種類や量に応じて最適な配車計画を作成する重要な仕事です。運行状況の確認やドライバーへの指示といった役割も担っています。最近ではドライバーの人手不足の深刻化により、配車業務の重要性が一段と高まってきました。
一方で業務の負担が大きく、属人化しやすいなどの課題もあります。配車業務は自社の売上や収益に直結するため、業務への理解が不可欠です。
今回は配車業務の詳細や重要性、現在抱えている課題について紹介します。
・配車業務の重要性と必要な資格
・配車業務のコツと課題、解決方法
配車業務とは?
物流業界における配車業務は、依頼された配送を適切な車両とドライバーに割り振る重要な役割を担っています。この配車業務を行う人を「配車係」や「配車担当者」と呼びますが、具体的にはどのような業務を行っているのでしょうか。
具体的な業務内容
配車係の主な業務内容は下記のとおりです。
- 配車計画の作成
- 運行状況の確認
- ドライバーへの指示
- 同業他社との連携
ここでは、具体的な業務内容について紹介します。
配車計画の作成
配車計画の作成は、効率的な輸送やドライバーの安全を担う配車業務の中心的な作業です。取引先から受けた依頼をもとに、以下の要素を総合的に考慮しながら配車計画を立てます。
- 納品の時間指定
- 輸送距離/交通情報
- 荷量/荷姿
- 車両の稼働状況
- ドライバーの労働条件(拘束時間・休憩時間等)
- ドライバーのスキル/経験
運行状況の確認
配送の遅延を防ぐには、ドライバーの運行状況をリアルタイムで把握することが重要です。その際は配送係がドライバーと直接連絡を取り、進捗状況を確認します。
近年では、GPS搭載の車両管理システムやデジタルタコグラフを活用して「走行中」や「休憩」といった運行状況を把握するケースも増えています。
ドライバーへの指示
荷主からの変更依頼や事故・悪天候による渋滞などのトラブルが発生した際に、対応策を考えドライバーへ指示を出すことも配車業務の一環です。
予期せぬ状況に備え、柔軟に調整することで、ドライバーの安全確保と効率的な輸送をサポートします。例えば、渋滞が発生した場合は代替ルートを提案し、最短で迂回できるよう調整します。
また、到着予定時刻を調整して荷主や関係者へ速やかに共有することや、交通状況や天候の変化をいち早く把握し、トラブルを未然に防ぐことも配車係の役割です。
同業他社との連携
繁忙期は荷物量が自社のキャパシティを超えることがあります。その際に他社の配車担当者と連携してリソースを調整するのも配車係の業務です。
他社から業務を引き受けたり、他社に委託したりすることで、お互いに協力しながら円滑な配送を目指します。
配車業務の重要性
配車業務は会社の利益に大きな影響を与えると同時に、ドライバーの働き方にも関わる重要な役割を担う物流業界のコア業務です。
適切な積載量や効率的な配送ルートを選定することで、無駄な人件費や燃料費といったコストを抑え、生産性の向上に役立ちます。また、効率的な配送ルートの設定によりドライバーの労働時間を短縮し、負担軽減にもつながります。最近はドライバーの人材不足が深刻化していることもあり、配車業務の重要性がより高まっています。
さらに、顧客満足度の向上には、適切な配送業務による配送トラブルの減少も欠かせません。
配車業務は時間とコストの無駄を省き、利益率を高めるとともに、働き方改革にもつながる重要な業務です。
配車業務に必要な資格
配車業務に必須の資格はありませんが、国家資格である「運行管理者」が配車業務を担当することが多いです。
運行管理者は、安全輸送を確保するための中心的な役割を担い、道路交通法や労働基準法などの専門知識を習得します。この知識は配車業務でも役立ちます。また、運行管理者は会社の規模に応じて最低1人以上の配置が義務付けられているため、配車業務を兼任するケースが多くあります。
配車業務のコツ
配車業務を円滑に進めるためには、次の点に気を付ける必要があります。
- ドライバーと円滑なコミュニケーションをとる
- 冷静な判断を心がける
ここでは、具体的なコツの内容を紹介します。
ドライバーと円滑なコミュニケーションをとる
配車業務をスムーズに進めるには、ドライバーと普段からコミュニケーションを重ね、信頼関係を構築することが重要です。
配車係は、ドライバーのスキルや経験、健康状態などを把握したうえで適切に配車を行う必要があります。しかし、コミュニケーションが不足していると、配車内容に納得してもらえず、不満が溜まってドライバーの退職につながる可能性も生じます。
良好な関係を構築するには、配車を依頼する理由を伝えたり、困りごとをこまめに聞いたりすると効果的です。急な配送ルートの変更があっても、信頼関係が築けていれば、協力してもらいやすいでしょう。
冷静な判断を心がける
配車業務では日々多くの判断が求められます。顧客からの急な依頼の変更や突発的な交通渋滞、天候の急変といった予期せぬ状況への対応には、迅速かつ冷静な判断が必要です。
判断を誤ると配送の遅延やドライバーの負担が増えるだけでなく、安全面にも影響を及ぼす恐れがあります。冷静な判断力があれば、トラブルを最小限に抑え、効率的かつ安全な運行につながります。
配車業務における課題
配車業務には属人化や業務負担の大きさなど、いくつかの課題があります。どんなことが懸念されているのか、それぞれ見ていきましょう。
配車業務の属人化
従来の配車計画はホワイトボードや紙ベースで作成されることが多く、データの記録や共有が難しいという課題がありました。そのため、担当者の経験や知識に依存し、属人化するケースも少なくありません。
経験豊富な配車係に頼らざるを得なくなると、その人が不在のときに他の従業員が対応できない状況になる可能性が高くなります。また、特定の配車係にばかり負担がかかることで、会社に対する不満や長時間労働を引き起こしかねないでしょう。 このような状況が続くと離職を招く恐れもあります。
さらに、属人化が進むと新人の育成が進まないという問題も発生します。業務が特定の担当者に集中することで、新人が必要な知識やスキルを学ぶ機会が限られてしまうためです。
業務負担が大きい
効率的なルートを作成するには、さまざまな条件を考慮しながら配車計画を立てなければいけません。作成後もイレギュラーな事態への速やかな対応や、状況の変化に合わせた臨機応変な調整が必要です。
このように、配車係には多くの情報管理と対応の柔軟性が求められます。他の業務と兼任していても配車業務に専念せざるを得ないため、手が回らなくなることも珍しくありません。
配車業務の課題解決には配車システムが有効
配車業務の課題を解決するには、配車システムの導入が効果的です。配車システムとはその名のとおり配車業務を支援するシステムのことで、配車計画の作成をサポートするものや、自動で配車計画を作成するものがあります。
配車システムの導入によるメリットは、以下のとおりです。
- 効率的に配車計画を立てられるようになり、業務の負担が減る
- 経験の浅い担当者でも配車計画を作成できるようになる
- デジタルで管理されるため情報共有が容易になり、後任への引き継ぎがスムーズになる
まとめ
配車業務は物流業界におけるコア業務であり、会社の利益やドライバーの働き方に大きな影響を与える重要な役割を担っています。
配車業務を円滑に進めるためには、ドライバーとのコミュニケーションを重視し、信頼関係を築くことが大切です。また、トラブルや顧客からの急な変更に対しても、冷静な判断力が求められます。
しかし、配車業務は属人化しやすく業務の負担が大きいといった課題があります。これらの課題を解決し、効率的な配車業務を実現するには、配車システムの導入が効果的です。
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