公開日: 2023/07/31
デジタコの義務化はいつから? 経緯と義務違反の罰則
- タコグラフ装着義務化のこれまでの流れと対象が拡大している理由
- タコグラフ装着義務に違反するとどうなるか
- デジタコが義務化されるのはいつからか
トラックなどの大型車両に装着するデジタコについて、上記のような疑問をお持ちの方も多いでしょう。
そこで本記事では、デジタコを含むタコグラフの装着義務について解説したうえで、義務化の背景や、違反したときの罰則などについて解説していきます。
前提:デジタコの装着は義務化されていない
画像引用:運行記録計の装着義務付け対象が拡大 (局用)|国土交通省
誤解されがちですが、2023年時点で、デジタコの装着は義務ではありません。
タコグラフにはデジタル式(デジタコ)とアナログ式(アナタコ)があります。道路交通法第63条の2は、トラックなどの大型車両にタコグラフの装着を義務付けていますが、デジタコか、アナタコかについての規定はありません。
画像引用:デジタル式運行記録計等の使用実態調査報告(概要)|公益財団法人日本自動車輸送技術協会
ただし、一般的にはデジタコが装着されており、アナタコはごく少数です。
公益財団法人日本自動車輸送技術協会の調査によると、令和3年度時点でトラック事業者の87.0%、バス事業者の90.8%がデジタコを導入しています。上記のグラフを見ると、トラック・バスともにデジタコの導入数は増加傾向にあることがわかるでしょう。
以下の章では、タコグラフ義務化の経緯や、デジタコの義務化に関する予測について詳しく見ていきます。
タコグラフ(運行記録計)義務化のこれまでの経緯
現在タコグラフの装着義務がある車両は、7トン以上または最大積載量4トン以上のトラックです。また、トラック以外では長距離バスやタクシーなどが該当します。
また、下記の表にあるとおり、装着の義務は移動距離の長い車両や積載量の多い車両から段階的に拡大しています。
施行年月 | |
---|---|
1962年 | 片道100キロを超える路線トラックに運行記録計を義務化 |
1967年 | 最大積載量5トンまたは総重量8トン以上の事業用トラックに装着義務化 |
1990年 | 特別積合せ貨物運送に関わる事業用自動車に装着義務化 |
2015年4月 | 車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上の新規購入トラックに装着義務化 |
2017年4月 | 車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上のトラックについて新規購入以外の既存車両にも装着義務化 |
タコグラフの装着義務化の対象が拡大している理由
タコグラフの装着義務は、交通事故の削減・安全確保が目的です。
トラックは、普通自動車と比較して重大な事故の発生割合が高い傾向にあります。タコグラフを導入し、運行速度や走行時間、距離を記録することで、トラック事故の原因となる長距離運転や長時間労働の抑止につながります。
国土交通省も対象拡大(法改正)について、「死亡事故や重軽傷事故が多発していること、長距離・長時間輸送が比較的多い状況にあることを勘案して、交通事故削減の観点から一層重点的な安全対策を行うべく、新たに運行記録計の装着義務付けの対象に含めるべきである」と明言しています。
参照:貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正する省令について|国土交通省
タコグラフの装着義務に違反した場合どうなる?
装着が義務付けられている車両にタコグラフが導入されていなかった場合、法律違反となり罰金や罰則の対象となります。
故障や不備があるケースと未装着のケースでは、それぞれ処分の扱いが異なるため、以下の章で詳しく解説していきます。
故障や不備があった場合
装着しているタコグラフに故障や不備があった場合、行政処分はありませんが、罰則金は発生します。警視庁反則金一覧表によると、大型車・中型車は6,000円、普通自動車は4,000円の罰則金を支払わなければなりません。
よくあるケースが、時計部分の故障やSDカードの挿入漏れです。正しく装備されているか、定期的にチェックするようにしましょう。
装着していない場合
タコグラフを装着せずに運転した場合、記録義務違反に該当し、30日間の車両使用停止処分となります。
ドライバー自身の業務に支障がでることはもちろんですが、会社にとっても信用を失う原因となり、大きな損失につながりかねません。何より運行記録を残さないことで、安全上のリスクを高めることになります。
そのため、大型トラックを使用する物流会社では、タコグラフの装着を徹底することが求められます。
デジタコの義務化はいつから始まる?
画像引用:富士通デジタコ公式サイト|DTS-G1D|富士通クラウドデジタコ
現時点では、デジタコの装着義務はなく、運行記録計はアナタコでも良いとされています。また、デジタコの義務化に関する具体的な時期なども明示されていません。
しかし、国はデジタコの導入を推進しており、令和4年には補助金制度も立ち上がりました。さらに、国土交通省が2014年に発行した「運行記録計の普及・義務化ロードマップ」でも、以下のようにデジタコを推し進める考えが明記されています。
運行記録計の装備義務付け拡大にあたっては、当面はアナログ式運行記録計の使用も認めることとし、別途、次世代の運行管理・支援システムの在り方に関する検討を進めるべき。
現状は法案なども出ていないため、いつからデジタコが義務化されるかを具体的に予測することはできませんが、今後デジタコが義務化される可能性は非常に高いといえます。
実際に、アメリカでは日本のデジタコに相当するELDという機器の装着義務が2018年からスタートしました。物流とブロックチェーンを組み合わせたスタートアップも多数登場し、世界的に次世代のデジタル変革が起きています。
このような動きが日本でも起こるのはそう遠くないはずです。物流業界に身を置く方は、先を見据えて早めに準備しておくことが求められるでしょう。
デジタコ義務化に関する情報まとめ
現状デジタコの装着は義務化されていませんが、タコグラフの買い替えを検討しているなら、断然デジタコの導入をおすすめします。取得できるデータが多く管理も楽になり、安全運行・業務効率化に大いに貢献してくれます。
ただし、2024年4月1日から働き方改革関連法によって労働時間上限が設けられることになりました。このいわゆる2024年問題に対応するには勤怠管理が必須であり、デジタコで取得したデータの高度な活用が求められます。
そこで運送業専用の勤怠管理システム「TUMIXコンプラ」の導入をおすすめします。
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